疑問を感じた格言
“なにか新しいことを始める時には、必ず反対する人間がいるものだ”
という格言は、反対させないための予防線を張ること
になってしまっていると思います。
新たに何かを始める時は、説明する必要がありますが、
その際、本人や周囲からこのような言葉が出たら、
反対意見を排除することになりかねません。
それどころか、問題点を指摘してくれる人を
「軽くあしらいます」と、事前に宣言しているようなものです。
以前、会議で新たな取り組みを発表した人間に対して、
問題点の指摘が殺到しました。
すると、司会をしていた上司が
「まあ、新しいことを始める時は、必ず反対意見というのは出るものですから」
と言いました。
その後は、誰も意見を言わなくなり、
その案は修正されることなく通ってしまいました。
問題点の指摘される機会は、
物事を改善する過程において大変重要です。
それを放棄してしまうのは、もったいないことです。
私は、この格言に共感は致しませんが、
なるほどと思われる方がいても、
これは決して口に出すものではなく、
発表者が意思を貫くために、心の中で思っておくための言葉だということです。